協会について
日本オーバースリーパー協会は、寝坊を個人の落ち度から社会の設計課題へと移すために活動する団体です。
名前について
オーバースリーパーとは、眠りすぎる人という意味の言葉です。ただし当協会は、これを睡眠の量の話としては使いません。眠る時間帯が、社会の時間割より後ろにあるという、分布上の位置を指す言葉として使います。
起きる時刻の分布で右側にいることは、異常ではありません。ただ、分布の左半分だけを前提に設計された社会の中では、そこにいるだけで毎日わずかに減点されます。減点しているのは、その人ではなく、設計のほうです。
設立の背景
朝起きられないことについて、この社会には十分すぎる量の情報があります。改善法、習慣、根性論、商品。そのほぼすべてが、起きられない状態は解消されるべきものだ、という前提を共有しています。
当協会は、その前提を採用しないという一点のために設立されました。個人ではなく、分布と設計の話をするための場所が、ひとつくらい必要だと考えています。
立場
当協会が採るのはポピュレーション・アプローチです。リスクの高い個人を特定して矯正するのではなく、集団が置かれている条件のほうを動かします。
したがって当協会は、参加者に早起きを指導しません。生活改善を求めません。診断を求めません。参加した人に対して当協会が行うことは、お知らせを送ることだけです。
動かしたいのは、一日の時間割の決め方と、「早起きは善い」という物語のほうです。会社の制度の話が多くなるのは、いまその2つがいちばん濃く現れている場所が、たまたま職場だからです。
活動
- スリープコンサート|客席で寝ながら聴く音楽会。寝てしまってかまいません。むしろ、それが成功です。参加したい人が集まりしだい開催する。
- オーバースリーパーズ|協会のバンド。エレクトロニカとアンビエントの混ざったドリーミーな音像。演奏は眠りに向かって設計される。
- 協会公式枕|協会が枕を作る。売り物にするかどうかは、まだ決めていない。
- オーバースリーパー・フレンドリー認定|協会の背骨。眠る時間を働く人に返している会社を見つけて、名前を出す。
扱わない領域
当協会は医療機関ではありません。睡眠に関する診断・治療・医学的助言を行わず、睡眠相後退症候群や特発性過眠症などの医療領域には踏み込みません。障害者雇用および就労移行支援の領域も扱いません。
当協会が扱うのは、企業の勤務制度に関する認定と、そこに至る主張までです。参加者に診断書を求めることはありません。睡眠に関する困りごとが日常生活に支障をきたしている場合は、専門の医療機関にご相談ください。
変えたいもの
早く目が覚める人は、たまたま体がそうできているだけです。そのことに落ち度がないのは、遅く目が覚める人とまったく同じです。
変えたいのは決めごとと、物語のほうです。誰かが悪意で作ったわけでもない古い決めごとのせいで、一部の人だけが毎朝すこしずつ削られている。その構造だけを、静かに動かします。
眠りたい時間に眠って、目が覚めた時間に起きる。それが誰にとっても、わざわざ許可のいらないことになる。当協会が望んでいるのは、それだけです。
前提
最後に、当協会が議論の手前に置いている前提を書いておきます。
眠っている時間にこそ、価値がある。起きている時間のための休息だから、という理由ではなく。
寝起きの瞬間にも、価値がある。スムーズに起きてその日のパフォーマンスをあげるため、という理由ではなく。
何かのためのものになった瞬間に、それは見えているのに見えなくなります。眠りが「明日のための投資」になり、朝が「一日の成否を決める時間」になったとき、そこにあったはずのものは、勘定から消える。
当協会が始業時刻や評価制度のような、あまり詩的でない話ばかりしているのは、眠りをその人の手に返すのに、いま動かせる場所が、たまたまそこだからです。
運営
当協会は、個人が運営しています。法人格を持つ団体ではありません。お問い合わせは運営者情報のページからどうぞ。
客席で寝ながら聴く音楽会です。参加したい人が集まりしだい、ひらきます。いまは登録だけで、それ以外には何も起こりません。